経営困難に陥る私立大学が顕在化

2017年の出生数は約94万人となり、2年連続で100万人を割れることが発表されました。

この赤ちゃんたちは2035年あたりに高校を卒業することになりますが、その時の大学入学者数は仮に全員が進学したとしても94万人にしかなりません。

現在の大学進学率は約50%程度となっており、この割合が今後も続くと考えると2035年の大学進学者数は約50万人程度とぼくは予測しています。現在の大学・短大の入学者数は約68万人となっていますが、今後20年足らずで18万人ぐらいの学生数が減少する可能性があります。

現在の大学数を約760とすると、1大学あたり900人くらいの計算になるかと思いますが、大雑把に1大学1,000人として、180ぐらいの大学が消失するのではないかとぼくは予測しております。

現時点でも既に経営難に陥る大学が多くなってきており、私大の約4割、短大は7割が定員割れの状態にあります。2010年以降でも11の私立大学が既に廃止されていますが、今後2019年度末までに21法人が経営破たんする恐れがあり、ほか91法人についても依然として経営困難な状態にあります。

また、いわゆる「2018年問題」があり、2018年以降は18歳人口が減少期に入ってしまうため、学生の確保はさらに困難になっていきます。

学生側にとっても卒業後に廃校となってしまう可能性があるため、経営状態が怪しい大学は敬遠する傾向があり、一旦、経営状態が悪化してしまうと急速に学生数を確保するのが困難となります。そのため、今後、経営状態が困難な私立大学には早期に廃止をすすめるべきですが、なかなか進んではいないようです。

今後、おそらくは補助金や無償奨学金などの形で税金で大学を温存させる形になるのかもしれませんが、加計学園のような事案が多発するのではないかと考えております。