2019年10月に現行の8%から10%への消費増税が予定されていますが、政府はこの増収分の使い道を教育無償化にもあてる方向で検討しています。この教育無償化には幼児教育をはじめ、大学教育まで含まれていますが、これに対して現役世代はどのように考えるべきでしょうか?
「こども保険」や「教育国債」などの案と比較すると、今回の「消費税」を財源とする場合は高齢者世代も負担することになります。また、本来の使い道であった高齢者への社会保障費への支出割合を減らすことになるため、現役世代にとってみれば、子供保険よりは幾分かマシな感覚があるかもしれません。
けれども、そもそも大学教育の無償化は必要なのでしょうか?
これまで奨学金をコツコツと返済してきた氷河期世代にとっては不平等な印象があるはずです。直近の大卒の就職率は97%を超える状態ですので、現在の学生はたとえ奨学金を借りたとしても卒業後に返還不能になることはありません。
この無償化が何を意味しているのかは不明ですが、基本的には私学温存と大学統廃合の回避、そして最終的には官僚の天下り先の温存が隠れた目的になっている気がしてなりません。待機児童問題などは解決されるべきと思いますが、どさくさに紛れて大学での無償給付奨学金などの話が出てくるのは不自然な気がしております。
これに加えて、プライマリーバランスの黒字化が厳しめになってきたことも理由ではないでしょうか?
思ったほど税収が伸びず、2020年の財政健全化達成は絶望的な状態となっていたため、先送りする何らかの言い訳が必要になったのかもしれません。単に、目標を達成できませんでしたといえば、ほれみたことかと責められるのは明かですが、教育関連に使ったといえば言い訳にはなるはずです。
いずれにしても、唐突な感の否めない今回の教育無償化への路線変更ですが、こども保険よりは幾分かマシの政策なのかもしれません。